橋本左内『啓発録』
珍しく、兄がゴハンに連れてってくれました。
曰く、「お前痩せすぎ。スルメばっか食ってないでもっと栄養あるもん食え」とのこと。
別にスルメばっか食べてるわけじゃないんですが、ご馳走してくれるっていうんでホイホイ。
オサレな感じの洋食店で兄はハンバーグを、私はシーフードドリアを食べたのですが、私と兄は二人になると日本史の話しかしなくなるというなんともアレな兄妹でして。その日も、洋食屋のオサレな雰囲気をブチ壊す勢いで歴史談義に花が咲いてしまいました。店の人ゴメン・・・。
二人とも史学科ではなかったのでそんなに詳しいわけではないのですが、共通の話題が日本史というか、歴史の話をするのが好きなんです。で、その中で橋本左内の著書の話が出ました。
ここからは私の趣味の領域です。
パッション!な内容になってることは自覚してますんで、興味のある方のみどうぞ・・・。
橋本左内は有名な人なんで知ってる方も多いと思いますが、福井藩主松平春嶽の懐刀で、幕末期の俊英の一人です。開明的な考えを持ち、実力もある優秀な人物だったのですが、将軍継嗣問題で一橋派だったために吉田松陰や頼三樹三郎と共に安政の大獄で斬首され・・・とまあ、この辺は歴史の授業で習うので省くとして、この人の本に『啓発録』というものがあります。
これは左内が自身に課した5つの決まりごとを記したものなのですが、それをサクッと紹介すると以下のような感じに。
1:去稚心 (稚心を去る) 子供染みた甘えを捨てる
2:振気 (気を振う) 恥辱を知り負けん気を持つ
3:立志 (志を立つ) 志を立て、目的に邁進する
4:勉学 (学に勉む) 上辺だけでない真の学問に励む
5:択交友 (交友を択ぶ) 益友と損友を区別する
本当に軽くまとめただけなので、実際の『啓発録』には、優れた例を交えたもっと分かりやすい説明が載っています。私のこんなクソみたいな要約ではちっとも伝わらないので申し訳ないのですが、この本(というか橋本左内)は凄いんですよ。
「学問とは、単に詩文や読書をして知識を蓄えることではなく、先人の善行を見習い、自身もそれに倣い努めることである」とか、「絶えず学んでいかないと立てた志も忘れがちになってしまい、時と共に愚鈍になりモラルも低下する」など、いつの世にも通じることばかり。自分の愚行をひとつひとつ指摘されているようで思わず背筋が伸びてしまうんですが、なんといっても一番驚かされるのは、この決意の五箇条をしたためたのは、弱冠15歳の左内少年だということです。数えで15なので、今の14歳ですよ。そんな若さでここまでの文章力と精神性の高さを養えるものなのか、とひとえに感嘆するばかり。
さすが当時の知識人をもってして「抜群の秀才」と舌を巻かせた橋本左内。文章そのものはかなり短いのですぐ読めるのですが、その短い文章中に宿る気概たるや、ほとばしる知性たるや!
余談ですが、かの西郷どんの入水自殺未遂は、朋友と認めた左内の死も一因だそうで、西郷どんはずっと橋本左内の手紙を懐に持ってたらしいです。
歴史にifはないものの、この人が明治維新まで生きていればどんな風に活躍したろうと思わずにはいられません。26歳という若さで世を去っているのが惜しまれるなぁホント。
兄に「何か面白い話をしろ」と言われて話したのが、この橋本左内の『啓発録』の話と、「菊池寛は勝負事で負けるとダンマリになるので、陰で『くちきかん』と言われていた」という話の2本でした。後半のどうしようもなさといったら!笑
すみません、久し振りにトークで熱くなったので、パッショーネの命ずるままに書き殴ってしまいました。
ここで吐き出したのでなんとか鎮火できそうです。
本や遺品で昔の人の高潔さに触れるたびに、自分の愚昧さが恥ずかしくなります。
こういうのを読むと「もっとマシな人間にならなきゃ!」とやる気が沸いてくるのも確かなので、自分は単純な人間で得をしているのだろうか損をしているのだろうかと少し考え込んでしまいます。笑
■つづきで拍手返信(2〜10日に頂いた拍手のお返事です)
曰く、「お前痩せすぎ。スルメばっか食ってないでもっと栄養あるもん食え」とのこと。
別にスルメばっか食べてるわけじゃないんですが、ご馳走してくれるっていうんでホイホイ。
オサレな感じの洋食店で兄はハンバーグを、私はシーフードドリアを食べたのですが、私と兄は二人になると日本史の話しかしなくなるというなんともアレな兄妹でして。その日も、洋食屋のオサレな雰囲気をブチ壊す勢いで歴史談義に花が咲いてしまいました。店の人ゴメン・・・。
二人とも史学科ではなかったのでそんなに詳しいわけではないのですが、共通の話題が日本史というか、歴史の話をするのが好きなんです。で、その中で橋本左内の著書の話が出ました。
ここからは私の趣味の領域です。
パッション!な内容になってることは自覚してますんで、興味のある方のみどうぞ・・・。
橋本左内は有名な人なんで知ってる方も多いと思いますが、福井藩主松平春嶽の懐刀で、幕末期の俊英の一人です。開明的な考えを持ち、実力もある優秀な人物だったのですが、将軍継嗣問題で一橋派だったために吉田松陰や頼三樹三郎と共に安政の大獄で斬首され・・・とまあ、この辺は歴史の授業で習うので省くとして、この人の本に『啓発録』というものがあります。
これは左内が自身に課した5つの決まりごとを記したものなのですが、それをサクッと紹介すると以下のような感じに。
1:去稚心 (稚心を去る) 子供染みた甘えを捨てる
2:振気 (気を振う) 恥辱を知り負けん気を持つ
3:立志 (志を立つ) 志を立て、目的に邁進する
4:勉学 (学に勉む) 上辺だけでない真の学問に励む
5:択交友 (交友を択ぶ) 益友と損友を区別する
本当に軽くまとめただけなので、実際の『啓発録』には、優れた例を交えたもっと分かりやすい説明が載っています。私のこんなクソみたいな要約ではちっとも伝わらないので申し訳ないのですが、この本(というか橋本左内)は凄いんですよ。
「学問とは、単に詩文や読書をして知識を蓄えることではなく、先人の善行を見習い、自身もそれに倣い努めることである」とか、「絶えず学んでいかないと立てた志も忘れがちになってしまい、時と共に愚鈍になりモラルも低下する」など、いつの世にも通じることばかり。自分の愚行をひとつひとつ指摘されているようで思わず背筋が伸びてしまうんですが、なんといっても一番驚かされるのは、この決意の五箇条をしたためたのは、弱冠15歳の左内少年だということです。数えで15なので、今の14歳ですよ。そんな若さでここまでの文章力と精神性の高さを養えるものなのか、とひとえに感嘆するばかり。
さすが当時の知識人をもってして「抜群の秀才」と舌を巻かせた橋本左内。文章そのものはかなり短いのですぐ読めるのですが、その短い文章中に宿る気概たるや、ほとばしる知性たるや!
余談ですが、かの西郷どんの入水自殺未遂は、朋友と認めた左内の死も一因だそうで、西郷どんはずっと橋本左内の手紙を懐に持ってたらしいです。
歴史にifはないものの、この人が明治維新まで生きていればどんな風に活躍したろうと思わずにはいられません。26歳という若さで世を去っているのが惜しまれるなぁホント。
兄に「何か面白い話をしろ」と言われて話したのが、この橋本左内の『啓発録』の話と、「菊池寛は勝負事で負けるとダンマリになるので、陰で『くちきかん』と言われていた」という話の2本でした。後半のどうしようもなさといったら!笑
すみません、久し振りにトークで熱くなったので、パッショーネの命ずるままに書き殴ってしまいました。
ここで吐き出したのでなんとか鎮火できそうです。
本や遺品で昔の人の高潔さに触れるたびに、自分の愚昧さが恥ずかしくなります。
こういうのを読むと「もっとマシな人間にならなきゃ!」とやる気が沸いてくるのも確かなので、自分は単純な人間で得をしているのだろうか損をしているのだろうかと少し考え込んでしまいます。笑
■つづきで拍手返信(2〜10日に頂いた拍手のお返事です)




